中小企業の企業間取引(B2B)戦略

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企業間取引(B2B)企業の戦略

今回は、中小企業の企業向けに販売する企業間取引(B2B)の受注側の戦略についてお話しします。

商品を発注したい企業は、まず取引先の価値を評価して発注先を決めます。ケース・バイ・ケースですが、評価対象には「価格」「納期」「品質」があります。そのため、もし受注側が全ての評価項目で満点のサービスを提供することができれば完璧ですが、残念ながら競合他社も必死に戦っていますから、自社の得意分野を強みとして誰にも負けない価値を提供することが基本となります。いわゆる 選択と集中です。

ただし、中小企業には小回りがきくという機動力があります。取引先に強みを価値として提供することで、他社と差別化をはかることができます。

主な戦略

それぞれの会社の経営戦略としておくべきは、自社の強みです。
ここからは、主な戦略として「納期戦略」「価格戦略」「品質戦略」「営業戦略(ファンの創造)」について考えてみます。

納期戦略

この戦略は、誰よりも納期が早いことを価値とする戦略です。
急いでいる取引先には、とても有効な価値となります。この納期戦略は取引先の在庫が最小で済みますので、取引先の倉庫コストが下がり良い影響を与えます。

たとえば、原材料(部品)を扱う企業の場合、発注側の取引先は納品された原材料を加工して商品をエンドユーザーに提供します。このため、取引先は販売計画(受注予測)にもとづき仕入れをおこなうのが一般的です。しかし、現実的には販売計画通りにならないことが多く、仕入れた原材料の不動在庫が売れ残ってしまうというリスクはあるものの、ある程度の在庫を抱えておかないと心配という判断で多めに仕入れます。

この状況において、もし原材料を短納期で納品することができたら、取引先はリスクが軽減されるだけでなく、在庫も最小限で済みます。

つまり、「納期が近い」という強みがあることで、取引先の在庫リスクを取り除くことが出来るのです。これは、とても価値のあることです。取引先と、納期を強みとした関係性を築くことができたら、継続的な取引となり優良顧客になっていくと思います。

この戦略のデメリットは、短納期にするために、受注側が常に在庫を抱えておかなくてはいけないということです。
受注側の企業は仕入先との関係強化と適正在庫の管理をしっかりとしておくことで、そのリスクを軽減することができます。

価格戦略

こちらは、誰よりも低価格で商品・サービスを提供する戦略です。
同じものが安く手に入るのであれば、誰もが喜んでそちらを選んでくれるでしょう。

ただ、この価格戦略は薄利多売になるので「販売数の確保」「コスト削減のための努力」「仕入コストの削減」をする必要があります。
中途半端な低価格ではシェアを奪えず価格勝負となり企業体力を奪われることになることがリスクです。

この戦略は、取引先にとっては嬉しい条件ですが、薄利多売は企業体力を奪うことになるリスクがあり、難しいです。
対策としては、全部の商品を薄利にするのではなく、安く提供できる商品・取引先が優先的に喜ぶ商品を低価格にし、利益が取れる商品との抱き合わせ販売をすることで企業体力が奪われるリスク軽減することができます。

品質戦略

3つ目に、誰よりも品質にこだわる戦略です。
たとえば、大田区の町工場でスペースシャトルの部品を作っていることは有名です。iPhone のスタイリッシュな筐体も日本の磨き屋さん達の素晴らしい仕事で成り立っています。素晴らしい品質は差別化要因になります。

高級○○と呼ばれるお店も品質戦略といえます。品質戦略は高利益率ですので薄利多売と違い、高品質という価値が利益となります。
品質に見合った適正価格で販売することができます。

しかし、この品質戦略を実行するには「人財が絶対」です。熟練の技・知識・経験が必要不可欠です。
そのため、品質戦略のリスクとして考えるべきは人財の流出です。優秀な人材が転職されてしまっては、品質を維持できなくなるだけではなく、転職先でこの品質を真似ることが出来てしまいます。これを防ぐためには、経営者にとってはその人に合った職場環境への満足度を上げることが重要になってきます。

営業戦略(ファンの創造)

最後は、お客さま満足度を高める戦略です。
心理的な状況を含めて取引先の都合の良い取引環境を提供することです。いつでも、どこでも、お客さまのために価値を提供する姿勢です。

ファンとなってもらえればリピートでお仕事をいただけるようになりますし、場合によっては価格や納期が他社より悪くても取引をしていただけます。お互いにハッピーな気持ちで仕事をすることができます。

この営業戦略を実行するには「営業スキルの向上」「全社で営業をバックアップする仕組み」が不可欠です。逆を言えば、この仕組みを構築することが出来るかが成功の分岐点になります。経済は感情で動くと言われますが、まさにそれを実践する戦略です。
もちろん、営業だけが仕事をするわけではありません。製造部門も取引先に満足していただける商品・サービスを提供しなければなりません。

この戦略は、今日の明日で出来るものではなく日々の努力の積み重ねで成り立ちます。

まとめ

ご自分の会社にはどの戦略が最も適しているのか確認してみてください。
業種によってある程度決まってきますが、どの戦略を目指していくのかを見極め社員が一丸となって仕事をしていけば、現状よりも経営がうまくいくことは間違いありません。

戦略により優良顧客となった取引先は逃さないようにして維持していくことが大切です。

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