ABC分析で効率的な販売をする方法

DXの効果的な使い方

ABC分析とは?

ABC分析は「重点分析」とも呼ばれていて、Aランク、Bランク、Cランクに分けて分析する方法です。

これは、Aランク→Bランク→Cランクといったように、アルファベット順に重点が置かれた考え方です。Aランクはビジネスへの貢献度合が高いので、重点的に扱いましょう!ということです。ランクの比率は、売上高の70%を占める商品をAランクとし、残り20%をBランク、最後の10%をCランクと決めて分析することが多いようです。この割合は、決まったものではありませんので、自社に合わせて調整すると良いと思います。

ABCのランクに商品を分類することで、多数ある商品の特性を見える化することができ、意思決定の情報としてサポートするものですので、とても重要です。

では、ABC分析を実際のビジネスに役立てるには、どうすればよいのでしょうか?

ABC分析の使い方

ABC分析のよくある事例として、商品別の売上高をABC分析したものです。

この図表から「売上構成比が高い商品は、売れ筋の商品だから積極的に販売すべきである」と分析します。

Bランク、Cランクの商品も、もちろん売上に貢献していますが貢献度が低いので「Aランクに比べて売りづらい商品」ということです。つまり、販売効率性の視点で分析しています。

また、ABCのそれぞれのランクにどれだけの商品数があるによって、見えてくることがあります。

  • Aランクの商品比率が低い場合は、特定商品に売上が依存している。もし競合他社が同様の商品を安売りするなどして顧客が奪われると、売上低迷になるリスクがある
  • ABCランクの商品比率が均等の場合は、売上の安定性はあるが販売方法が非効率である(売れ筋も死ぬ筋も同じ注力をしている)

たとえば、100種類の商品を扱っているが、2種類の商品だけで売上高70%を占めているとします。

もし、競合他社がそのうちの1種類の商品の激安販売を始め売上に悪い影響をしてしまったら、全社売上高にも大きく影響するということです。つまり、Aランクは貢献しているという良い面もあるが、売上高に悪い影響があると全体の売上高にも大きな影響を与えてしまうということです。逆に、Aランクの商品が100種類中の70種類であるとすると、重点と呼べる商品がないため、販売効率が悪く販売促進費が高くなっている可能性があります。

このことから、ABCそれぞれのランクの商品数が適した商品数になるような品揃えをして戦略的に販売することが良いことになります。

売上高以外にもわかること

ABC分析は、売上以外にも在庫管理としても利用できます。

「Aランクの商品は ⇒ 売れ筋商品である ⇒ 良く売れるから在庫切れに注意しよう!」となります。

これは「売上構成比が高い商品は、売れ筋の商品だから在庫の減りが早いので在庫切れで機会損失に注意しよう」という考え方です。逆に、Bランク、Cランクの商品は「在庫の減りが遅いので不動(不良)在庫」にならないように注意すべき商品ということになります。つまり、適性在庫の視点で分析しています。

在庫以外にも利益額の高い順に並べれば、利益に貢献している商品ランクを把握することができます。分析したい視点で並べてみると良いでしょう。

ABC分析の弱いところを知ろう

ABC分析に限ったことではありませんが、分析手法には目的があり全ての事に完璧ではありません。

ABC分析の弱いところを知ることで、ABC分析と正しい付き合いができると思います。では、ABC分析の弱いところは何でしょうか?

たとえば、1,000円の商品を1,000個販売すると1,000,000円です。1,000,000円の商品を1個販売しても1,000,000円です。どちらも同じ売上です。

でも、1,000円の商品を1,000個販売することと、1,000,000円の商品を1個販売することは、同じ販売活動ではありません。1,000円の商品は、ちょくちょくと売れていきますが、1,000,000円の商品は引き合いからの継続した活動となります。

つまり、Aランクだからと言っても、商品の売りやすさ(売れる頻度)も考えなければいけないのです。
さまざまな考え方があるとは思いますが、この場合には販売数も一緒に見える化すると良いと思います。

Bランク・Cランクの商品はどうすれば良いの?

ABC分析ではAランクの説明はありますが、Bランク・Cランクの商品はどうすれば良いのでしょうか?

Bランク・Cランクは、Aランクになる商品か見極めることをしましょう。たとえば、ABC分析は「分析時点」での売上高で並べています。見方を変えると、新商品はこれから売上に貢献するわけですから、Bランク・Cランクにいるということです。ですので、商品が新商品なのか、長い期間取り扱っている商品なのか、AランクからBランク・Cランクに落ちてきた商品なのかで、判断が違ってきます。

新商品であれば、これからAランクになるポテンシャルがあるということです。逆に、長い期間取り扱っているのであれば、徐々に売上貢献度合いが減っていく可能性がある商品ということです。いままで、売上高に貢献していた愛着のある商品は、今後も売れ続けると思うかもしれませんが、判断しなければならないときは必ずやってきます。ビジネスとして割り切ることも必要です。

但し、Bランク・Cランクでも販売コストを掛けずに一定数売上があるのであれば、Aランクの商品売上が低迷したときの補完として残す検討はあると思います。ようは、売上規模は少ないが定番商品です。いずれは割り切ることになりますが、コンスタントに売上に貢献するのであれば、少しの間は残す選択もあるでしょう。

まとめ

ABC分析は、権威のある賢者の方々が作った手法ですので、売上を単純に並べてランク付けをしただけではありません。とても使える分析手法なのです。ABC分析の強いところ、弱いとこをを知ることで、ABC分析と正しい使い方ができるようになるのではないでしょうか。

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